ここまでやるか?子供の発想。

或る年の夏休みに友人の家族と羽幌に向かった。フェリーで焼尻島に行くためだった。札幌から羽幌までの道のりは遠く、かなり疲れた。友人のクルマが先に羽幌港に着いた。僕のクルマがやや離れたところに停まった。すると小学校低学年の我が息子が何やら取り出して頭にかぶり、その上に野球帽をかぶってドアを開け、友人のクルマめがけ「おっじさ~ん!」と、叫びながら笑顔で駆け出した。友人の彼の家族もクルマから降りて息子の笑顔に手を振って答えていた。と、息子が突然!野球帽を脱いでペコンとお辞儀した。その瞬間!僕は「ゾッ!」とした。息子の頭にはハゲの被り物があったからだ。説明するまでも無く、友人の彼は若いのに完全にハゲていたのだ。息子の行動にハラハラしたが、意外にも、友人の彼も、彼の家族も、満面の笑みで、息子の頭を軽くたたいてふざけあって済んだ。友人の彼には悪いが、この一件ですっかり疲れが吹き飛んだ。楽しい休暇だった。しかし、ふざけるにしても、ダイレクト過ぎて、僕たち大人には、とっても実行できないが、とても効果的なコミュニケーションの発想だった。

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