インターネット文化塾(6)「SEO?とは?」

インターネット上にサイトを開設・運営する際に、意識せざるを得ないものにSEO(search engine optimization)があります。「検索エンジン最適化」と呼ばれるもので、GoogleやYahooなどの検索エンジンで検索した際に、自分のサイトが上位に表示されるようにする技術と言われています。SEOは、サイト運営を行う場合に必ず耳にする言葉ですが、これこそが最重要課題とするものから、現在では意味がない、最小限のマナー程度にとどめるべきというものまで、さまざまな意見や立場があります。そこで、SEOとはどういうものか、歴史をたどりながら私なりの考え方を書いていきます。

日本では、1996年に「Yahoo Japan」、2000年に「Google日本語版」のサービスがスタートし、ユーザーになくてはならないものになりました。と同時にインターネットユーザーも増加し、個人のサイトに膨大な数の読者が訪問し、地方の小さな店に膨大な数のお取り寄せ注文が殺到する、というようなことも起こってきました。
そんな時、ある遊びが流行りました。例えば、人気アイドルやスポーツ選手を検索したときに、それとは全く関係の無い内容のサイト作って、上位に表示させるというものです。当時はまだ単純だった検索エンジンのしくみ(来場者が多かったり、リンクされてる数の多いサイトを上位に表示する、など)を逆用したものです。これだけなら他愛の無いイタズラですが、そのしくみを使ったビジネスが登場しました。すなわち、内容に関わらず、検索エンジンの上位に表示させることを請け負うビジネス。これがSEOの始まりです。

もともと検索エンジンは公共サイトを上位に、個人や企業の広告サイトを下位に表示していました。人は、広告が見たいわけではなく、あくまで情報を知りたいのだという考えです。しかし企業がSEO手法を駆使したため、一時期、検索結果が広告だらけになってしまいました。そのころから、内容中心に価値のあるサイトを上位に表示させようと考える検索エンジンと、クライアントを上位にさせようとするSEO業者との間で、一種の競争が始まりました。このころの検索エンジン各社は、自社の表示システムの裏をかくSEOの存在を認めておらず、公式サイトにもSEOに関する記述は一切ありませんでした。SEOの考えた手法が、ある日突然、検索エンジンによって不正な手法と判断され、SEO業者に依頼した企業サイトが、検索結果に表示されなくなることもありました。
一方で、そもそもの検索遊びを受け継ぐ「SEOコンテスト」も開かれました。実際にはない単語を検索して、表示順位を競い合うもので、2004年の第一回には「ゴッゴル」、翌年は「デースケドガー」というキーワードが選ばれました。この大会は世界中で、それぞれの言語で行われましたが、わずか2回で終了しました。これは一般ユーザにSEOのあらゆるテクニックを吐き出させるためのものではなかったかと、今でも考えています。

やがてSEO業者は窮地に立たされるようになりました。ある者は、得意の手法が中央で時代遅れになったため、地方で営業をかけ始めました。また視覚障害者など弱者に優しいサイト作りをすれば、検索上位になれると主張する業者も登場しました。そもそもSEO業者は、IT技術にも、デザインにも優れていたわけではない、コンサルタント的な立場だったので、産業として成長していく土台もなく、徐々に衰退していきました。

とはいえSEOがなくなったわけではありません。
SEO が必要なケース(Google)
これはGoogleが提唱する正しいSEOのガイドラインです。ここに書いてあることは、特別な裏技ではなく、内容を見やすく、正しく見せるための最低限のルールです。個人でもできることばかりですが、それもやっていないところは少なくありませんので、やれば今以上の成果は期待できます。また、SEO業者もなくなったわけではありませんが、それらは主にアメリカで、高名なクリエイターやスターを起用した動画を配信するなど、大掛かりな取り組みを行う企業であり、残念ながら私たちには無縁の世界です。

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インターネット文化塾(6)「SEO?とは?」 への2件のフィードバック

  1. Hiroyuki Iida のコメント:

    SEOの記事中「検索エンジン各社」とは例えばYahooとかGoogleのことですか?
    そのしくみを使ったビジネス者が登場しました。すなわち、内容に関わらず、検索エンジンの上位に表示させることを請け負うビジネス。とはクリック数を機械的に増やすようなことをしていたのでしょうか?

    • pandeiro のコメント:

      検索エンジンは、GoogleやYahooのことです。他にもいろいろな種類がありますが、この二つが一般的です。上位に表示させるためのテクニック(と言われているもの)は無数にあります。クリックというか、来場者数を増やすというのは、どちらかと言えば上位に表示する目的になります。SEOOの目的は、あくまで上位に表示させるところまでと言えます。

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