乗り物と言えば車輪を思い浮かべるが、船もあれば、飛行機もある。数年前、BMW3シリーズのCM入り大型飛行船がやってきた。その時、僕はマスコミ関係に事前にニュース・リリースしたり、報道の方たちの搭乗ご招待のお手伝いをした。当日は苫小牧港に係留していた大型飛行船が飛んで来ると言うので石狩新港の広場で早朝から待機していた。が、携帯が鳴って、係りが部品を調達に羽田まで行くので今日は飛べないと。石狩新港に集まっていただいたマスコミ各社さんにお侘びして、順延をお伝えした。雨なら、あの広い表面積を覆う水滴が重くて飛べないらしいし、朝露も相当重く、ヘリウムガスだけでは浮力が不足するらしい。太陽が上がって一気に乾くまでは離陸できないらしい。が、翌朝、係留するためのマスト車(トラック)やヘリウムを補充する車両や係留やメンテナンスをするスタッフのマイクロバスがやってきて、しばらくすると、晴れ男の僕のお陰か朝陽を浴びた飛行船は東の空から、ゆったりとやってきた。マスコミ各社さんは昨日と大違いで2社のみ。10名乗りの座席が空いてしまった。現地には飛行船スタッフ以外は、HBC-TVのカメラマンと報道記者、自動車関係の業界紙の記者の方と、僕とイベントスタッフの女性Kさんの5名しかいない。急遽、僕もKさんも乗船名簿に記入。乗船することになった。業界紙の記者がやや高所恐怖症なのか?僕に聞いてきた「この飛行船落ちたらどうなるの?」と。僕「30cmの穴が空いても急に落下しないそうですよ」と。彼「怖いな」。僕「落ちても弾むでしょう、こんなに大きな風船だからね」。彼も少しは安心した表情になった。係留ロープが解かれ、軽いエンジン音と3基のプロペラの回転音がすると機体は斜めに上昇。100mほどの高度から水平飛行になった。飛行船のコクピットはまるで小型飛行機並みの計器だらけで操縦士と副操縦士がパイロットのコスチュームで操縦していた。後席はベンチシートで後部はラウンジ風に大きなガラス窓?。眺望は素晴らしい。眼下の景色も近くハッキリ見えた。学校のグランド上空では野球やサッカーをする子供達が手を振って歓声も聞こえる。北大の構内の緑がきれいだ。推進用プロペラ音が静かで救急車のサイレン音までもが聞こえる。ススキノまで行った所でUターンして石狩新港に向かった。30分ほどのフライトだったが、これまでに乗った乗り物の中で一番静かで快適だった。この機体はドイツ製で、これだけの大型飛行船は世界に2機しか無い?そうだ。後で知ったが、飛行船の先端をマストにつなぐマスト車は出発地と目的地が違えば2台必要らしい。ゆっくり飛行しているようだが80km/hのスピードと直線的に飛ぶので一般道路を1台のマスト車が追いかけてもムリらしい。仕事の関係とは言え、貴重な体験をさせていただいた。翌朝の北海道新聞には札幌TV塔に鯉のぼりのようなアングルのカラー写真が掲載された。他のTV局も地上から取材してくれた。飛行船はまた「ゆっくり飛行」で札幌の都心部経由で苫小牧港へ帰って行った。石狩新港にあったマスト車はきっと苫小牧港から、飛行船より先にフェリーで青森港にむかったのだろう。ちなみに観光用の飛行船搭乗料は相当高いらしい。
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