あの時はごめんなさい。(1)

この4月、4人の孫の末っ子が小学一年生にあがった。来月は初めての楽しい遠足らしい。昔を振り返ると、僕は一年生の頃、遠足の前日に咳が出て親が休ませると言ったのにダダをこねて遠足に行きたいと泣き喚いた。担任の山腰先生は、そんな僕を背負って遠足に連れて行ってくれた。大きな身体の先生の背中で感謝はしたはずだが、今思えば、あの日の遠足は山登りで、しかも女先生だ。大変だったに違いない。『あの時は本当にごめんなさい』。今の学校ならあり得ない。また夏休みには、林間学校ならぬ山腰先生の実家のお寺の涼しいお堂に何度か行って、みんなで勉強を教わったこともあった。庭園の木々からせみ時雨が聞こえていた。僕の心の中の本当の恩師の一人だ。

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