夏の想い出(1)

夏休みに帰省した田舎に関してはいろんなエピソードがある。帰省して、お盆のお墓参りに行った時の出来事。海が見える段々になった傾斜地に沢山の祖先が眠っている。手桶に水を入れて上の方にある我が先祖のお墓に一人でゆっくりゆっくりときつい石段を前のめりで登っていった。坂道の石段を挟んで両脇には沢山の墓石が海を見て並んでいる。坂の途中で、お墓の前でじっと拝んでいるお婆ちゃんの背中が見えたので、当然ながら耳の遠い方には僕の声など聞こえないとは思いつつ気持ちだけでもと小声で「お疲れ様で~す」と一声だけかけて登って行った。上段のほうの目的の我が先祖の墓石に水を打って拝んだ後、坂道を下りて行きながら、先ほどのお婆ちゃんは未だ居らっしゃるのかな?とその辺りを見ると、何と「ビックリ!」あのお婆ちゃんの顔が猿に化けているではないか?しかも両手でお供えのお菓子を食べていた。猿の毛皮の色がお婆ちゃんの着物に見えたのか?それともお婆ちゃんの姿に化けていたのか?未だに謎だ。

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