北一条西十七丁目の北海道近代美術館で(7月27日~8月23日)開催の「夢見るフランス絵画」展は思いのほか豪華版だった。僕の好きなユトリロとヴラマンクとレオナルド藤田の作品が多かった事もご機嫌だったが、ほとんどの有名どころの巨匠たちが一堂に会していたからとても得をした感じだった。シャガールの作品は少なかったが、セザンヌ、ルノアール、モネ、モディリアーニ、など巨匠ぞろいだ。かなり以前に京都美術館で見た時以来のヴラマンクの野生的な画風にしばし見とれてしまった。自転車競技者だったり、ヴァイオリン奏者だったり、彼の経歴も変わっているが日本流に言えば「文武両道」で。繊細さと剛健さを併せ持っているからこそ野生的なタッチでありながら微妙な色彩感覚の表現力をも併せ持っている。レオナルド藤田は器用さを悪用され戦闘シーンの絵画を強制され軍国主義の日本を嫌ってフランスに渡り、クリスチャンの洗礼を受け聖堂の天井絵を描いたりしたそうだが、彼の日本絵画風の滑らかな面相筆のラインは美しい。恋人と南米にも渡り多くの作品を残している。日本の画家たちもフランスで活躍した巨匠たちの影響を受けている人たちがほとんどだが、しかし、その昔、日本にも外国から崇められた北斎や広重ら、多くの巨匠たちがいた事を忘れてはならない。あれだけ豪華な顔ぶれの絵画展で1,300円は決して高くない(前売りや年次会員がお得)。重い荷物も100円玉が戻る大・小のロッカーがあるので落ち着いて絵を見る事ができた。駐車場は真ん前の有料駐車場で600円だったが、15丁目の立体駐車場は提携していて僅かだが割引になるらしい。とにかく館内は静かで涼しい。真夏日にはおススメのスポットだ。
絵をみると、また描きたくなってきたが、残念ながら油彩も水彩もリキッドも、ポスターカラーも筆もPC(Machintosh)で制作するようになってから、しばらくご無沙汰していたら、ゴルフ道具と同じく捨てられてしまった。絵を描かない人にとっては油絵の道具は油臭く汚いのだろう。あったはずの地下室の棚には子供たちのクレヨンと教材の絵の具箱しかなかった。レオナルド藤田のお得意の面相筆の一本くらいどこかに捨て忘れていないか?探してみることにしよう。「芸は身をたすく」でヘタな絵でも札幌に来た頃には、「新築祝いの贈り物」や「喫茶店の装飾」などにと買ってくれた人が何人かいた。1枚3万円ぐらいだったが当時の僕には大金だった。器用貧乏は現在も同じ。