溜めこんだ絵日記。

北海道は冬休みが長く、夏休みは短い。札幌も今日から学校が始まる。本州で育った僕は小1~小6まで、毎年長い夏休みを何日間も福井市に泊りがけで遊びに行っていた。田舎と違って楽しい遊びや珍しいものが沢山あって兄弟のような甥っ子と毎日遊んだ。夏休みの8月も終わりに近づき、宿題の絵日記を書いていない事に気づき、最後の日は遊ばず朝から一気に書き上げる事にした。絵は得意なので「ザリガニ釣り」や「紙芝居」や「自転車遊び」や「お芝居見物」や「かき氷」や「花火」や「盆踊り」や「海水浴」や「プール」など、次々と描き上げ、日付も28日、29日、30日、31日、32日、33日・・・・・・と書き込んだ後で鉛筆を立てて指を離して前に倒れたら「晴れ」、左右横に倒れたら「曇り」、手前後ろに倒れたら「雨」と適当に書き込んだ。僕の住む田舎と天気は違うのでいいかな?と。溜めこんだ絵日記には、リアルな遊びの絵と、あり得ない日付と、鉛筆占いで決めた天気が並んでいた。

カテゴリー: 小話フラッシュ パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください