インターネット文化塾㊾ WORDPRESSへの道-2。

日本でのWORDPRESSの普及は、世界に比べてひどく遅れました。ブログ自体は、効率的に来場者を呼び寄せられるサイトの目玉として、早い時期から重視されたのですが、日本ではWORDPRESではなくMOVABLETYPE(ムーバブルタイプ)という、別なブログが長いこと主流になりました。それは、MOVABLETYPEには、データベースを使わないという、その他のブログやCMSとは決定的に違う特徴があったためです。

databaseネット関連だけでなく、コンピュータシステムを作る場合、データベースの構造を考えるところから始まります。プログラミング=データベース構築だという人もいるくらい重要な作業ですが、一方、データベースは非常にわかりにくい概念です。20世紀になってようやく登場した概念なので、暗記型の勉強が得意な人はむしろ苦手かもしれません。データベースなしのブログは、言わば巻紙に文章と画像を書いていったようなもので、時系列どおりに読むにはなんの問題もありませんが、検索などの応用には少々工夫が要ります。データベースは、画像は画像、文章は文章というように、見出しをつけて書類ボックスに整理してるようなものなので、特定の文章や画像を抽出して、他の用途への応用も簡単にできます。なによりシステムの異なるブログで書いたデータを、別のブログに一発で持っていけるというようなメリットもあります。
世界でも一時期使いやすいMOVABLETYPEが普及しましたが、データベースがないので発展性がなく、要はつまらないシステムなので急速に人気が衰え、主流がWORDPRESに移りました。

しかし日本の場合、サイトデザインを請け負っていたのがデザイン系やコンサルタント系など、IT技術に暗い分野の業者が多かったので、データベースが使えませんでした。そこで海外でMOBABLETYPEが廃れていき、サービスが停止した後もそれにしがみつきました。日本だけの本部を作ってサポートをしようとしましたが、データベースを使わないとやっていけないと分かった途端に、雪崩を打ってWORDPRESSに乗り変わっていき、その間にデザイン系やコンサル系のWEB制作会社も姿を消していきました。
WORDPRESSの本格的な導入時期は、直感的ですが、海外と比べて5年以上の遅れがあります。こういう事になったのは、WEB制作者だけでなく、日本のサーバー業者にも原因がありました。

(続く)

カテゴリー: wordpress, インターネット パーマリンク

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