ウェブサイトを作る手法は、よほど技術環境の整った組織でない限り、今日ではWORDPRESSを使うのが賢いやり方です。WORDPRESSを使うと、最先端のウィルスと最先端のセキュリティ技術とのせめぎあいのまっただ中に身をおくことになりますが、実際にユーザーがすることはバックアップをきちんととり、パージョンアップを欠かさないということだけです。WORDPRESSには単なるBLOGとして使う以上の、高度な機能が用意されています。その分操作が複雑ではありますが、運営本部だけでなく、ユーザーの中にも高い技術を持った人が多いので、ネットのアドバイスも期待できます。
逆に、ウェブサイト、特にブログサイトを作るのに最もマズいやりかたは、IT関連企業が提供する、無料のブログサービスを利用することです。個人ばかりでなく、事業者の中にも、ブログ部分だけをブログサービスにしている例を見かけますが、賢明なやり方ではありません。
実は、インターネットの初期から、簡単にホームページが作れるサービスなどが無数に生まれては消えていきました。初期にブックマークしたサイトを今訪れると、かなりの高い確率でエラー表示だったり、サービス企業者による、サービス終了のお知らせだったりします。お気に入りに入れたくらいですから、それなりの有意義な情報があったはずですが、もはや引越し先すら表示されていません。
実際私の知人も、現役ビジネスマン時代からコツコツと絵を描いては、ホームページ作成サービスを利用して発表し続け、リタイヤ後の生きがいにもなっていました。それが突然終了したのです。ユーザー登録の際の細かい注意書きには、業者の判断でいつでもサービスを終了できると書いてあったのでしょうが、そんなところまで読む人はいません。しかも困ったことに、企業のデータベースが一瞬にして消えてなくなるのですから、過去記事データの保全も追いつきませんでした。
こういうことをしたのは、国内でも有数の情報通信企業です。おそらく主催者の社名を見れば誰しも安心するでしょうが、このたぐいのサービスは、主催者の規模やネーミングに関係なく、突然中止されてきました。現行のブログサービスも、全く同様です。実はTWITTERやFACEBOOKも、同じ理由で、重要な情報提供や記録の場にはふさわしくありません。
これらと大きな違いは、WORDPRESSは、ユーザー自身が調達したサーバーの上にあるシステムだということです。仮にWORDPRESS本部が閉鎖され、それ以上のバージョンアップやサポートがなくなっても、今までのデータはすべて自分のデータベースに残っています。さらにユーザーの中に技術レベルの高い人が多いため、過去記事の保全や、新しい環境への移行のためのツールが開発されることは間違いありません。なぜなら、WORDPRESS自身が、過去の一世代前の同様のツールから、ユーザーのアカウントや過去記事情報を受け継ぎながら発展してきたものだからです。