企業はWEB広告にどう取り組むべきか

最近、業績が思わしくないので広告費用を削減しようという会社の話を聞きました。これは実に恐ろしい話です。過去の多くの破滅した企業が通ってきた道を、歩き始めた兆候かもしれないからです。

例えて言えば、それは戦国大名が合戦の最中に、旗色が悪いので鉄砲隊を後退させようと言い出すようなものです。劣勢を挽回するためさらなる兵力をつぎ込むのではなく、縮小させようというのです。敵の大将はさぞかし大喜びすることでしょう。

どんなに景気の悪い時代でも、多くの客がいる豊かな場所があります。それはライバル企業の顧客です。だから景気が悪化すれば、いやでもおうでもライバルの顧客を奪うしか、選択肢はなくなります。ただし、急速な拡大が見込めず、少数の企業が市場を分け合っているような場合、シェアをひっくり返すようなチャンスはなかなか訪れません。いわば横綱同士ががっぷり四つになってしまったような状態です。でもそこで、どちらかがちょっとでも力を抜いたら、一気に形勢が決してしまうでしょう。

広告はすべての人に見られているわけではありませんが、ライバル会社は必ず見ています。そして、その日時や出稿量などを記録し続けています。そこでもし去年出していた広告が出てなかったら、ライバルは、敵の資金切れという千載一遇のチャンスが来たと思うでしょう。鉄砲隊は大将の判断で退却させただけでも、相手が弾切れだと思えば、敵は勢いづいてしまうかもしれません。

既存のメディアからWEB広告へとシフトしている、という話も、よく注意して聞かなければ危険な場合があります。ベテラン兵に代えて新兵を投入すれば、やはり敵の大将は大喜びです。たとえ今はベテラン兵の戦果が思わしくなくとも、ライバルにとっては脅威ですが、それがなぜか撤退していくわけですから。

既存の広告の比率が減り、WEB広告が増えてきたという言葉も、「ベテラン部隊が健在で状況が優位なうちから少しずつ新兵を投入してきたおかげで、もはや新兵とは言えないほどに成長した」、ということを意味してるだけで、あなたの会社もそうしてきたのでなければ、あてはめて考えるべきではない情報です。

とはいえ、インターネットは企業の将来を左右します。とりわけ、サーバーの限界は、企業の成長限界でもあります。でもそれはWEB広告とは別の話です。例えば、毎月、あるいは毎週でも、ライバル店の店頭光景を通りがかった自社社員に、スマホで撮影してもらって会社のサーバーにアップしておいてもらい、競合地区の担当者がいつでもそれらをチェックできるようにしたとします。スマホやサーバーレンタルのある現代では、大した手間やコストではありませんが、こちらのほうが先に、鉄砲隊の撤退に先に気がつくかもしれません。インターネットはそういう使い方をするべきなのです。

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