ジカ熱。

蚊が媒介する感染症「ジカ熱」が、ブラジルを中心に中南米各地で大流行している。米国や欧州でも中南米からの帰国者に感染例が見つかり、日本の厚生労働省も注意を呼び掛けている。
世界保健機関(WHO)によると、アフリカ中部ウガンダの森林で1947年、初めて原因となるウイルスに感染したサルが確認された。その地名にちなんで「ジカウイルス」と命名された。これまでは主にアフリカ、東南・南アジア、オセアニアなどで感染者が確認されていたが、中南米では感染例はあまり見られなかった。中南米で感染が拡大した要因としては、人々のウイルスへの耐性が弱く、気温や湿度の影響でネッタイシマカのような媒介する蚊が広く生息していることが挙げられる。
蚊がジカウイルスの混じった血を吸い、その蚊が他人を刺すことで感染が広がっていく。3~12日の潜伏期間を経て、発熱や発疹、筋肉痛や疲労感などの症状が出る。デング熱などに比べて症状が軽く、4人に3人は感染自体に気付かない。重症化や死亡例の公式報告はない。
妊婦が感染すると、大変なことになるようだ。ジカ熱は、先天的に頭が小さく、脳の発育が不十分になる「小頭症」との関連が疑われていて、ブラジルでは、感染した妊婦が産んだ新生児が小頭症を持つ報告例が例年比で大幅に増えているらしい。両手足のしびれや力が入らなくなる神経障害「ギラン・バレー症候群」との因果関係も指摘され、研究が進められている。
有効なワクチンや抗ウイルス薬がない。だから、対症療法に頼るのみ。媒介する蚊に刺されないよう、肌の露出を避けるしかないがリオのカーニバルも肌を覆う衣装に変貌するのだろうか?
厚労省によると、日本ではこれまで、海外の渡航先で感染し、帰国後に発症した「輸入症例」が2013年以降に3例あるが、国内での発症例は報告されていない。ただ、ブラジルには8月のリオデジャネイロ五輪で大勢の日本人が渡航すると予想され、既に日本でも感染阻止に向けた動きが強まっているようだ。

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