迷惑な交通広告?

僕が広告の仕事に就く前の事。大阪の地下鉄やバスには車内広告が氾濫していた。暑い夏に特に感じたのは車内の中吊りポスターなどが風に揺れて『ガサゴソ・ガサゴソ』と音を立てうるさい事。こんな広告止めればいいのに、と思っていたものだ。ところが気がつけば何時の頃からか、自分もそんな広告を制作する側に身を置いていた。でも、あの時感じた事は一般の乗客としての率直な意見だと思う。その時の教訓、広告は受け手の立場で考えなければならないし、それなりの配慮も必要と思う。最近では交通広告の掲出も減少傾向にあり、このジャンルでもデジタル化が進んでいる。つまりデジタル・サイネージと言われ、紙媒体から映像媒体へ変化している。デジタル・サイネージも実は迷惑な交通広告として問題視された。動画を流して音楽やナレーションを入れると、今度は『音がウルサイ!』と苦情が出た。つまりCM放映ばかりのTVがいたるところに設置されれば当然ながらウルサイに決まっている。デジタル・サイネージも必要最小限を守りつつ効果も期待できる広告媒体であって欲しいと、広告の送り手の世界に身を置く僕たちも考えてしまう。

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シミもステータス?

僕達は、昔から夏の炎天下でも帽子もろくに被らずに過ごしたり、直射日光に対して無防備だった。そんな時代には夏休みが終わって友達と再会する時に、誰が一番黒いか比べて一番黒い事が自慢だった。川遊びで魚をつかんだり、海では、日除けも無い漁船の上で釣りで一日過ごしたりして肩の辺りは火傷で水ぶくれが出来、その後は面白いほど皮膚がむけたものだ。そんな昔の少年たちの証は顔のシミとして残されている。何でもヨーロッパの富裕層の人達はシミがステータスと言う考え方もあると聞いた。夏のバカンスが長いので日光浴で焼いた肌の副産物が自慢?らしい。今の子供達は日焼け止めをタップリ塗らせて帽子も被らせて外出させている親がほとんどだが、ところで、今の子供達は、夏休みが終わると、誰の肌が如何に白いかを比べて自慢しているのだろうか?

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仕事に熱中!も病気?

昨日は予報通りに暑い一日だった。午後2時台で瞬間31℃まで上がった。こんな日も戸外で働く人達は大変だ。工事現場を通りかかると初老だが屈強そうな人夫の方が休憩中だった。顔は直射日光で真っ赤。髪の少ない頭に濡れタオルを載せて涼んでいたが、しばらく休んだら、また炎天下に出て働くのだろう。この所、しばらくこんな場面に身を置いたことが無い僕だが、青春の大阪時代の夏を思い出した。大阪の夏は毎日が暑く、それも長く続いた。そんな夏の或る日、高台にあるアトリエの垣根の門塀や屋根のペンキ塗りを買って出た僕は半袖シャツにバミューダ・ショーツとビーチ・サンダル姿でペンキの容器と刷毛を持って屋根で作業した。眼下の市民プールでは大勢の人たちが水の中で歓声をあげはしゃいでいるのが見えた。普段は室内でデザインの仕事なので直射日光には当たらないが、当時は日光浴や太陽の下で過ごす事は良い事と言われていた時代だ。そこで屋根の作業を選んだ訳だが、夕方になってノルマを終えた途端、急に具合が悪くなって急遽医者に診て貰った。レントゲンを採ったり点滴を打ったりしたが医者が言うには『熱中症』だった。若さで直ぐに回復はしたが、今なら、真夏の炎天下でのあんな作業はとても出来ないだろう。たとえ楽しいはずの遊びのゴルフでさえも炎天下での18ホールはとてもムリだ。今は、せいぜい、仕事に『熱中症』ぐらいか。これも他人から診れば、ほとんど『病気』らしいが。

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今日から暑くなるらしい。(山の分校編)

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僕は、実家を離れて福井県勝山市の全寮制高校に通っていた。先輩から音楽部の部長を譲られ、コーラスの指揮や吹奏楽に没頭した。夏休みには東京の姉夫婦の家にしばらく遊びに行き、その間、毎日のように新宿のライブハウス(当時:ジャズ喫茶)でステージ演奏を見るのが楽しみだった。「シャープ&フラッツ」や「東京キューバン・ボーイズ」などのビッグ・バンドの演奏に感動し、「ドライ・ボーン」などの曲目ではステージが真っ暗になると蛍光で骸骨が演奏しているようなショー・バンドの演出に度肝を抜かれた。勝山に戻って聞きかじったジャズやアメリカン・ポップスの曲を「気になる女の子にプレゼント!」などとラジオにリクエストした。早速、東京かぶれで真似をして派手な文字とラメ入り譜面台をいくつも手作りして、隣の高校の吹奏楽部と、また隣の中学の吹奏楽部に合同での活動を持ちかけ「田舎のビッグ・バンド」は結成された。街のお祭りではアイスクリーム一個の報酬で炎天下を「マーチ演奏」で練り歩き、敬老会では「軍艦マーチ」を演奏して大喝采をあびたり、派手な活動の傍ら、団員の集会所にしていた(団員の家の空き家)風呂屋で話し合った。「何かいいことしようか」と。「夏休みに過疎地の分校に慰問に行かないか」と言う意見に皆賛成した。早速分校に電話で「僕たちの演奏で分校の小学生の子たちに、元気をプレゼントさせてください」と連絡すると女先生は喜んで受け入れてくれた。当日、初めて行く遠い遠い山間部の分校へデコボコの砂利道を数時間バスに揺られて楽器を抱え、汗びっしょりで到着。なんと、狭い講堂に小学生児童ばかりか、村人まで大勢の人たちが笑顔で迎えてくれたのだ。オルガンしかない分校の児童たちは管楽器を見るのも聞くのも触るのも初めてだと言う。演奏が始まると真剣に聞き入って一曲ごとに割れんばかりの拍手をくれた。普段の活動での町の観客とは全く違う空気を感じた。最後にオルガン演奏で「赤とんぼ」の「正確なうたい方」を歌唱指導したあと、全員で合唱。僕の振るタクトは感激で震えた。帰りのバスを見えなくなるまで全員が手を振って送ってくれた。バスの窓から身を乗り出して手を振る僕たち団員全員の目も潤んでいた。こんなに歓んでくれた彼ら彼女らよりも団員の僕たちの方がお礼を言いたいくらいに嬉しかったからだ。毎年暑い日になると、あの時の夏休みを想い出す。僕たちも今は夫々の生き方をしているが、あの時のあの子たちは今、どうしているのだろうか。社会生活の中で人々に感動を与えることを僕たちは忘れて居ないだろうか。夏になると新宿で遊んでいた不良高校生の僕も初めての充実感を味わった夏休みの事を想い出す。今からでも出来る小さな社会貢献は、まだきっと有ると思う。

 

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ゴルフ。

昨日は小樽市銭函の小樽カントリー倶楽部でゴルフ・イベントだった。80名の参加者の方々を一組4名で10組をアウトから、もう10組をインから、合計20組で同時スタート。7:00スタートで最終組が上がったのは13:30。理想は4時間で回る事から考えれば余りにも時間が掛かり過ぎだが名門コースで難しく、技術の差があるのでプロ・ゴルファーのように早くは回れないから仕方が無い。コンペテーションは、ほぼ貸切だから何とか無事終了。26℃以上ある暑い一日だった。上手い人はコスチュームでも一見して分かる。つまり着慣れていて自然にフィットしている。昨日に限らず、余りにもこだわりすぎの流行の先端を行くファッションは見た目は美しいが腕前の方は今ひとつの方が多い。さすがにスゥイングが決まっている人は「ナイス・ショット!」で、いいのだがOB(アウト・バウンス)や林に打ち込んだ場合はご本人よりも見送りのギャラリーも何と言って良いのか戸惑う。気心知れた友達同士のパーティなら『ナイス・ちょっと!』とか『バナナ・スライス!』とか『えびゃ~フライ!』などとふざけても問題ないが、相手がお客様や目上の方には応用できないから『シ~ン!』と静まりかえり、一瞬空気がピ~ンと張り詰めて気まずい。こんなときにも差しさわりの無いコメントを模索するが、なかなか思い浮かばない。『惜しかったですね~』でも、『残念ですね~』でも、傷つけてしまいそうだ。そこで考えたのが『今、ボール見えませんでした・・・』ぐらいでトボケてあげるぐらいでしょうか。しかし、チョロの場合は『あれっ?おかしいですね~?いつもはまっすぐ飛ぶのに・・・』と。でもフォローすればするほど明らかにお世辞も見え見えで、これもダメですね。ギャラリーにもキャディさんにも気を使わせない程度に最低の技量は身につけてコースに出ていただきたいと願うギャラリーは僕だけではないでしょうね。

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