桜の想い出(2)

二宮金次郎チャキチャキの江戸っ子で少しそそっかしい母が晴れ着を着て僕の手を引き、桜が満開の小学校に向かった。ランドセルを背負って金ボタンの制服を着せられ歩いて5~6分ほどの小学校にたどり着くと、いつに無く静かだった。そう、その日は日曜日で入学式は翌日だった。二人は照れて隠し笑いしながら目と鼻の先の学校から家に戻った。入学式も無事済み、毎朝決まって隣村の豆腐屋のミッチャンが僕の家に寄って、朝ご飯をのんびり頂いている僕を待ってくれ、毎日手をつないで桜の木に囲まれた小学校に登校していた。今の子たちが言う『ラブラブ?』だ。女の子は子供の頃から、おマセで面倒見がいい。こんな軟弱な僕に比べると、二つも奥の村から毎日一里の距離を歩いて登校してくる分校の子供たちがいた。遠足で、その分校まで歩いたが登り坂の砂利道はきつかった。彼達は給食のコッペパン(マーガリン付き)とミルク(脱脂粉乳)では足りず、必ずドカ弁を持って来ていた。桜舞い散るグランドの片隅には、柴の背負子を背負って書を読みながら歩く二宮金次郎がいた。

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カモメの街?

二羽のカモメ数年前、朝の出勤途中の豊平川に架かる東橋あたりで二羽のカモメを目撃した。石狩湾から川伝いに昇って来たに違いないと思ったが不思議な光景だった。海に比べれば川は浅く魚を捕獲するにも容易いに違いない。それに、海の波の上より休む場所も多いはずだ。と、しかし最近では都心でカモメの鳴き声が聞こえている。カラスとテリトリー争いで空中戦も見かけた。気が立ったカラスはトンビでも人にでも向かっていくが、カモメは羽を拡げればカラスの数倍大きい。既得権を振りかざすカラスたちを今や無法者のカモメたちが侵略し始めた。人間の世界にも似た『利権争い』が鳥の世界でも繰り広げられている。贅沢な人間たちが食べ残した食料が豊富な繁華街が彼らの漁場と言う訳だ。ところで漁場を街にと着眼した最初見た二羽のカモメたちは今では、仲間内から相当リスペクトされているカモメ。?

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桜の想い出(1)

最近ご無沙汰しているが、第二の故郷『福井の田舎』へ春先に行くと、川のほとりに一本の大きな桜の木が咲いているはずだ。学校の校庭の周りにも大木の桜並木はあったけれど、この桜は一本だけ独立して咲いている。僕の父『龍之介』が植えた桜だ。僕が住んでいた家も今は無く両親の墓しか無いが、寂しい風景に花を添える桜を見ると2歳~15歳まで暮らした故郷での想い出が鮮やかに蘇る。その桜は父が植えたなどと村人達は誰も知らない。あれからどれくらい大きくなったのだろうか。もうすぐ五月、一本桜の花は散ってしまった頃だが、いつの日かまた花の咲く頃に行って見たい。

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憎まれっ子?。

先日の土曜日の朝、うっとおしい髪を切ろうと近くの行き付けの理髪店にクルマで行った。先客のクルマが2台あったので、二人も待つのは退屈だから、浮気しょうかと他の店が脳裏に浮かんだ。・・・が、しかしそこで先客のクルマを再度観察すると、いずれも大きな白いセダンだった。『これなら行けるかも?』と、オロナミンCと鞄を持ってドアを開けた。予想が当たった!お二人とも髪の少ないご年配のお客さんだった。鞄からタブレットを出してブログ原稿を書きだした途端、先客のお一人が帰られた。もうお一人もすぐ終わるはず。さて、メール・チェックでもしようか。やがて最後のお一人も直ぐに終わり、僕の順番だ。前金主義の僕が3,500円を払って鏡の前の椅子に座る。いつも通り話に花が咲き始めたところに『カラ~ン!』とドアが開いてまたまた年配のお客が来店した。店主『いらっしゃいませ』、僕を無視したかのような態度のお客『大分掛かるかい?』、店主『あと、30分位ですかね』、客『急いでやってねっ!』、店主『クスっ!』、僕『?無言!』(腹の中:あきれ返った失礼なジジイ!)。結局せっかちジジイは途中まで我慢していたが『また来る!』と、シビレを切らせて出て行った。一体アイツは何様だったのだろうか?勘違いかも知れないが、定年前はきっと偉い人だったのでは?

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春眠暁を覚える

猫春の朝は眠くて、かったるくて、なかなか起きられない人も多いようだが、僕は早いときは3時~4時起き。誰も起きてこない静かな朝の3時間をPCに向かって自由に使っているが、クルマを運転する事もあって運転の3時間前には起きる事に決めている。朝は寝不足が原因の『出会い頭事故』が多いからだ。児童・生徒の登校、自転車、勤め人の急ぎ足、あわただしいクルマの動きが一気に集中する朝は注意を怠ると大変だ。従って朝は頭をクリアにしておかなければいけないと思う。子供はいくら寝てもいつまでも眠れるから不思議だが、早朝に起きて昼眠くなる僕達を子供たちは『不思議?』と思うのだろう。

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