インターネット文化塾(51) WORDPRESSへの道-4

WORDPRESSはブログ本体と,レイアウトやデザインを決めるテーマの,2つの部分からできています.本体だけの場合は,投稿記事や写真が白いバックに箇条書きされるだけで,テーマを組み込んで初めて体裁が整います。またテーマを取り替えると,記事の内容はそのままで,雰囲気や機能が全く違うサイトに変わります.
非常に便利ですが,テーマの作者の意図した範囲でしかカスタマイズできないので,デザイン的なオリジナリティを追求するには,やや不十分な場合があります.

WORDPRESSのテーマは,デザインやレイアウトを管理しますが,プログラムの一種です.現在,あらゆるプログラムにはそれを狙うウィルスがいますが,WORDPRESSも本体はもちろん,テーマに感染するウィルスもいます.WORDPRESSの利用者が増えたことで,それを狙うウィルスも爆発的な勢いで増えています.常に最新の脅威に対抗するため,本体やテーマは頻繁にアップデートされます.

テーマは自作することもできます.以前はそれほど難しい技術を要求されなかったため,私でも気軽に自作テーマで国際コンテストにエントリーできました.現在は機能やセキュリティに高い技術が要求されるだけでなく,本体のアップデートや新しいウィルスの登場に合わせて,絶えずバージョンアップしなければならなくなりました.テーマを作るのにも,相応の技術的・組織的バックボーンが必要になったのです.ユーザーにとっても,単に見かけの機能やデザインだけでなく,継続したアップデートが受けられるかどうかも,テーマ選びのポイントになってきました.
いま世界には無数のWORDPRESS用テーマが存在しますが,何が良いかということになると,現実的な選択肢としては、「公認」テーマしかないことになります。公認テーマは,WORDPRESSのダッシュボードの中にリストアップされているもので,作者はまちまちですが,どれも本部の審査を経たもので,アップデートも頻繁に行ってくれます.

野良テーマは危険

野良テーマは危険

公認以外のテーマは「野良」と呼ばれており,使用には注意が必要です.実は私自身,野良には苦い思い出があります.一時期自分でテーマを作っていたころに,ウィルスに感染してしまったのです.自作の野良とはいうものの,公式テーマをベースにして,見かけを変えただけだったので、できた当初はセキュリティも万全でした.でも元になった公式テーマがアップデートしたときに,自作もアップデートしなければならないことに気づかず,見事にやられてしまったわけです.

(続く)

 

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インターネット文化塾㊿ WORDPRESSへの道-3。

mysql

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前回も述べたとおり、データベースの作業は難しく、デザイン中心の制作者にはとっつきづらいのですが、海外のサーバーは昔から作業ををサポートする仕組みが装備されていました。

左は海外で一般的なサーバーのコントロールパネル内にある、データベースの作成画面です。2.3箇所の空欄に書き込むだけでデータベースが出来上がります。現在は日本語も使えるようになっていますが、最初は英語。でも、操作が簡単なことは同じでした。

同じ時期には国内のサーバー業者のコントロールパネルには、データベース作成のツールがなく、ユーザーはサーバーに直接アクセスし、はるか昔のPCのように、真っ黒な画面に向かって直接コマンドをタイプする必要がありました。このことが日本のサイト製作者がwordpressの導入をためらい、MOVABLETYPEにしがみついた原因の一つでもあります。

さらに海外のサーバーには、10年以上前からボタンひとつでWORDPRESSなどを自動インストールするツールがついていましたが、日本のサーバー業者がそれをするようになったのは3年ほど前のことです。しかもつい昨年には、その自動インストールツールに初歩的なミスがあったため、大手業者の膨大な数の顧客サイトがウィルスに感染。サイトを乗っ取られて、長い日数回復できませんでした。

WORDPRESSは優れたプログラムですが、サーバーにアップして使うものである以上、サーバーの機能と性能によって、安全性や使い勝手に大きな差ができてしまいます。と言っても、本ブログが置いてあるのも国内業者のサーバーです。理由はかなり他愛もない大人の事情ですが、サーバーの限界がそのまま企業のIT化の限界になってしまうわけですから、そのへんにも日本のサーバー環境の問題があると思います。

(続く)

 

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インターネット文化塾㊾ WORDPRESSへの道-2。

日本でのWORDPRESSの普及は、世界に比べてひどく遅れました。ブログ自体は、効率的に来場者を呼び寄せられるサイトの目玉として、早い時期から重視されたのですが、日本ではWORDPRESではなくMOVABLETYPE(ムーバブルタイプ)という、別なブログが長いこと主流になりました。それは、MOVABLETYPEには、データベースを使わないという、その他のブログやCMSとは決定的に違う特徴があったためです。

databaseネット関連だけでなく、コンピュータシステムを作る場合、データベースの構造を考えるところから始まります。プログラミング=データベース構築だという人もいるくらい重要な作業ですが、一方、データベースは非常にわかりにくい概念です。20世紀になってようやく登場した概念なので、暗記型の勉強が得意な人はむしろ苦手かもしれません。データベースなしのブログは、言わば巻紙に文章と画像を書いていったようなもので、時系列どおりに読むにはなんの問題もありませんが、検索などの応用には少々工夫が要ります。データベースは、画像は画像、文章は文章というように、見出しをつけて書類ボックスに整理してるようなものなので、特定の文章や画像を抽出して、他の用途への応用も簡単にできます。なによりシステムの異なるブログで書いたデータを、別のブログに一発で持っていけるというようなメリットもあります。
世界でも一時期使いやすいMOVABLETYPEが普及しましたが、データベースがないので発展性がなく、要はつまらないシステムなので急速に人気が衰え、主流がWORDPRESに移りました。

しかし日本の場合、サイトデザインを請け負っていたのがデザイン系やコンサルタント系など、IT技術に暗い分野の業者が多かったので、データベースが使えませんでした。そこで海外でMOBABLETYPEが廃れていき、サービスが停止した後もそれにしがみつきました。日本だけの本部を作ってサポートをしようとしましたが、データベースを使わないとやっていけないと分かった途端に、雪崩を打ってWORDPRESSに乗り変わっていき、その間にデザイン系やコンサル系のWEB制作会社も姿を消していきました。
WORDPRESSの本格的な導入時期は、直感的ですが、海外と比べて5年以上の遅れがあります。こういう事になったのは、WEB制作者だけでなく、日本のサーバー業者にも原因がありました。

(続く)

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インターネット文化塾㊽ WORDPRESSへの道-1。

現在世界中の多くのサイトが、WORDPRESS(ワードプレス)と呼ばれるシステムで作られています。WORDPRESSは当初ブログ専用でしたが、現在は機能が増え、ショッピング・カートや掲示板など、ホームページに必要なあらゆる機能を備えたシステム(CMS)になっています。

2000年台のごく初期にブログやCMSが登場するまでは、せっかく公表したい画像や文章を持っていても、サイトを作成するのは一苦労でした。そこでワープロ並の手軽さで、文章や画像を配置するだけでウェブのページが出来る、ブログやCMSが生まれました。その後、WORDPRESはブログだけでなく、必要な機能を付加して、どんなタイプのサイトでも作れるCMSに成長しました。

WORDPRESSへの道その後はWORDPRESSがサイト構築の主流になっていくわけですが、WORDPRESSが最善・最高のシステムというわけではありません。WORDPRESSの場合、ブログ=日記風の情報交換システムが母屋で、これにショッピングなどの機能を、やや不法建築気味に増築する形で発展してきました。
同じブログからCMSに成長したNUCLEUS(ニュークリアス)も増築・増築で来たことは同じですが、規格化が徹底していたため、サイトが大規模で複雑になっても、セキュリティが高く、デザインのカスタマイズもしやすいなど、はるかに優れた性質をもっています。慣れない人にも使いやすいので、一時期オススメしてましたが、なぜか開発が下火になってしまい、新たなサイト構築にはお勧めしにくくなりました。
これに対して、XOOPS(ズープス)、DRUPAL(ドルーパル)、JOOMLA!(ジュームラ)などのCMSは、最初から様々なテナントが増えることを目的に作られた、大型施設のようなものです。スーパーでも、劇場でも、プールでも、後からどんどん組み込める融通性があり、筐体もガッチリ作られています。企業サイトを作る場合など、今後社員同士や顧客との間で、さまざまなコミュニティが作られてゆくことを想定するなら、これらのCMSを使うほうが自然です。人気のWORDPRESSさえ、1モジュールとして組み込むことが出来ます。

ただし上記は世界的な流れで、日本では、WORDPRESSは少々変則的な経緯で導入されました。

(続く)

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大谷祭り。

今回のプロ野球オールスターゲームは福岡ヤフオクドームでのホームランダービーから始まった。指のマメがつぶれて投手として投げられなかった大谷君は、なんと強打者たちを抑えて、ホームラン・キングに輝いた。第二戦の横浜での大谷君は、野手として先発し、ホームランとヒットで打点も上げ、MVPを獲得した。今回の彼の実績は誰もが認めざるを得ないだろう。二刀流だからできた彼の応用力と器用さ、豪快さ、さらにビジュアルの良さにはスター性を感じた。今後大リーグを目指すのだろうが、ダルビッシュに次ぐ偉大な選手になって欲しい。それにしても、日ハムは逸材獲得が得意な球団だ。今回のプロ野球オールスターゲームは、日ハムファンにとっては、まさに「大谷祭り」だった。今日は移動日だが、明日18日(祝)から、またレギュラー・シーズンの後半戦が始まる。我が家の野球少年も今日は野手、明日は捕手で左右スイッチ・バッターと早朝から忙しそうだ。二刀流を見てか?投手もやりたいようだ。ヒットを打ったら100円、ホームランは300円の臨時ボーナスをあげる約束をし、昨日、早速100円をあげる羽目になった。貯めたお金で野球道具を買うのだと言う。大谷君は子供たちにも夢を与えてくれているようだ。今朝も「爆弾オニギリ」を二個と、大型水筒に「氷入り麦茶」を用意してあげた。

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